ナムストーンPART3

封印1

その数日前にオサムオサナイのところにはレイ、キーツ、
ケムンからの研究報告が届いていた。

レイからは仏教の神髄法華経の中に人の仏性を信じてひたすら
礼拝行に徹した菩薩の話があるとか。東天に向かって「ナムミョウー」
と唱える教団がこの50年間で飛躍的に拡大しているとかの報告だった。

「東天に向かってナムストーンか・・・」
オサムは東の空を見上げた。

キーツからの報告はミイラだった。
過去のミイラの中に先祖返りというのがあって
三つ目のミイラがあったという記録が
ドイツの図書館に残っている。

骨相学の権威ルーマニアのドラアキラ医学博士のところ
には旧石器時代からの三つ目の頭がい骨が三体現存する。

ケムンからの報告では人類が類人猿として猿類と決定的
に分岐した時点から最古の骨格遺跡発見までの間には
数十万年の謎の期間がある。

最終氷河期の時期を挟んで文明発祥の時期との数十万年
の間の遺跡や記録は謎が多く数も少ない。

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