アイツと私の世間事情

第一章

「行ってきまーす」

朝からお母さんに元気に告げてから家を出る。

今日はスッキリとした晴天でお洗濯日和で何か良い事でも起きそうな予感！

「はよー」

…前言撤回、今日は最悪の日だ

「ねえ、無視されると傷つくんだけど？」

私の顔を覗き込みながらそいつは言った。

中島 裕也（ナカジマ ユウヤ）
暗めの茶色の髪の毛にアーモンド型の大きめの目、いわゆる王子様系の男子。

私の幼稚園時代からの幼馴染兼お隣さんである。

「あ、もしかして朝から俺に会えて嬉し過ぎて言葉が出ないとか？」

クスッと笑うあいつは悔しいけど絵になる。
噂によるとファンクラブもあるらしい、女子の行動力って怖いね。

「んな訳無いでしょ、馬鹿じゃないの」

冷ややかな目で見つめてみてもあいつは全く動じない。何故だ

「とりあえず学校行くか、一緒に」

普通の女子が見たら倒れるであろう爽やかスマイルを無視して私はさっさと学校へ向かった。