アイツと私の世間事情
「え?何やってる…」
中島は喋り掛けた私の口を自分の手で押さえた。
後ろから抱きかかえるように私の口を押さえているため、ものすごく近い。
しかも本人はその事に全く気づく様子もなく、ただじっとカーテンから外の様子を見ている。
ほのかに香る柑橘類の匂いとちらりと見える鎖骨にどぎまぎしながら、とりあえず離してもらうためにツンツンと腕を突ついた。
ようやく気がついた中島はそっと私を解放した。
そっと中島に習って外を見ると、数日前に恋の相談を受けた和田先輩と一人の男の子がわきあいあいとテーピングをしていた。
少し先輩の頬が赤い事から、男の子の方が先輩の好きな人である高野君である事がわかる。
「わー、良い雰囲気じゃん」
ひそひそと中島に話掛けた。
「ちょっと邪魔してやるのは可哀想だな、外に出るか。」
そうだね、と言おうとした瞬間私はカーテンの外から目が離せなくなった。
中島は喋り掛けた私の口を自分の手で押さえた。
後ろから抱きかかえるように私の口を押さえているため、ものすごく近い。
しかも本人はその事に全く気づく様子もなく、ただじっとカーテンから外の様子を見ている。
ほのかに香る柑橘類の匂いとちらりと見える鎖骨にどぎまぎしながら、とりあえず離してもらうためにツンツンと腕を突ついた。
ようやく気がついた中島はそっと私を解放した。
そっと中島に習って外を見ると、数日前に恋の相談を受けた和田先輩と一人の男の子がわきあいあいとテーピングをしていた。
少し先輩の頬が赤い事から、男の子の方が先輩の好きな人である高野君である事がわかる。
「わー、良い雰囲気じゃん」
ひそひそと中島に話掛けた。
「ちょっと邪魔してやるのは可哀想だな、外に出るか。」
そうだね、と言おうとした瞬間私はカーテンの外から目が離せなくなった。