アイツと私の世間事情
「じゃ、さっさと決めてくれよー」

無責任に言って勝手に去って行った担任を尻目にさっさと種目を決めている私達。

もうそろそろ体育祭が近づいてきたとの事で種目を決めて欲しい、との事だ。

てか、あんた仮にも担任なんだからお前が仕切れよ。

「あ、そういや、もうそろそろ体育祭だったねー」

「だねー、5月なのにねー」

うちの学校では、秋には行事が詰まっているため5月に体育祭をする事になっている。

「てか、体育祭とか無くなれば良いのに…」

少し遠い目をしながら私は言った。

実は私、大の運動嫌いなのだ。
走らせたら必ずビリ、球を投げたら3m、山登ったら2合目で倒れる自信がある。

しかも、この学校は血も涙も無いようで長距離競走、障害物競走などの競走系とバスケやサッカーなどのスポーツ系を一日ぶっ続けでするため、私にはただの地獄である。

「ま、私は逆に体育祭あって嬉しいけどねー」

女子バスケ部部長である遥香はもうそわそわしている。

「保健委員を理由にして競技全部休むとかは…」

「できません。」

私はガックリと机に崩れ落ちた。

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