アイツと私の世間事情
キーンコーンカーンコーン

帰りのチャイムを聞きながらばたばたと帰りの支度をした。

「じゃー、ばいばーい」

「ばいばーい」

遥香に別れを告げてから私は自分の家に向かって歩きだした。

遥香とは家が正反対のため、帰りは基本一人で帰っている。

でも、うちの学校は色んな所から人が集まっているから一人で帰るもの別に普通の事だ。

…まあ、私が少し人見知りなのも影響しているが。

「あ」

「あ」

…今日二回目のご対面である。

少し冷や汗をかく私とは反対にニコニコと満面の笑みを浮かべるあいつがこちらへ走ってきた。

「今帰り?」

「え…うん、まあ」

誰か、同じ学校の人に見つからないかヒヤヒヤしながら私は返事をした。

「そういや、葵って3組だったよな?」

「うん、まーね」

…てか、こんだけ冷たくしてるのに何で気づかないんだよこいつは。

「体育祭の時、1組のバスケ見にこいよ」

「…は?
いや、まあ、時間的には見れなくもないけど…」

「じゃあ決定な」

ニッコリ笑った後さっさと自分の家に帰ってしまったあいつ。

…意味わかんない
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