恋する*memory~記憶をなくしたわたし~2nd
わたしは、そのときのことを思い出していた。
やっぱり……
「乗るのがダメなら…初めから乗れなんて言わねぇよ」
「だけど………走りって…大事なことなんじゃ…ないの……?」
鬼翠にとっても……鬼翠のメンバーにとっても……煌くんにとっても……
「だから、乗れって言われても……簡単に、はい、乗ります…なんて……出来ないよ……」
「………はぁ……
だから……んなこと、考えんな……
大丈夫だって言ってんだろ……」
煌くんは、心底めんどくさそうに言っていた。
「だけど………」
「はぁ……もういい……勝手にしろ」
煌くんは、バタンと強めにドアを閉めて部屋から出て行った。