恋する*memory~記憶をなくしたわたし~2nd
「何って……走りの時に煌くんの後ろに乗らないって言っただけだよ?」
わたしは、愁さんを見て答えた。
「そういうことか……」
愁さんは、納得したように弄っていたパソコンをパタンと閉じた。
「煌も、もう少し………大人になってほしい…な……」
愁さんは溜め息をついた。
「愛依ちゃんは、走りのこと……鬼翠のことを考えて、言ったんだよね?」
愁さんは、見透かすような瞳でわたしを見てきた。
この瞳…怖い…んだよね……
「そうだよ……」
わたしは、ビクビクしながらも真っ直ぐ愁さんを見つめて答えた。