恋する*memory~記憶をなくしたわたし~2nd
おれんじ色が海に反射して……ほんとにほんとに、綺麗だったから……
わたしは、それに気をとられしばらくの間、ずっと立ったままだった。
――――――
「ねえ……君」
太陽が海に隠れるきる直前、声を掛けられた。
知らない声……
誰だろうと思い、振り向くと……
知らない男がいた。
しかもけっこう近くにいて驚いた。
波の音でまったく気が付かなかった。
「…えっと……あなたは…?」
「…………」
わたしが聞くけれど、答えることなく、じっとわたしを見つめていた。
あ、あれ?
聞こえなかった?