恋する*memory~記憶をなくしたわたし~2nd
男は、黒髪で整った顔をしている。
雰囲気は好青年。
服装もジーンズにTシャツでシンプルだけど、キッチリきまっている。
煌くんは俺様系な感じだけど……
この人は……王子様系?
って、わたしも観察している場合じゃないね。
「あの………」
わたしに話し掛けてきたってことは、なにか用があるんだよね?
「…………」
また…?
「あの!!」
今度はさっきよりも大きな声で言った。
するとやっと聞こえたようで視線が重なった。
「あぁ、ごめん。
君があまりにも可愛いから見とれちゃった」
爽やかな笑顔で、さらっと言われた。
「えっ!?」
お世辞にも程がある。
わたしがかわいいわけないでしょ……