恋する*memory~記憶をなくしたわたし~2nd
「で、何だっけ?」
質問も聞いてなかったんだ。
どんだけ聞いてなかったの??
「えっと……あなたは…誰ですか?」
すると……一瞬だけ顔が真顔になり、爽やかな笑顔で応えてくれた。
今の表情は………なに??
「俺は……藤城剛挧…だよ」
藤城剛挧ーフジシロゴウー……
何だろう……
胸にスッと入って来た……
「えっと……わたしは……」
「知ってるよ。
君は……獅子戸愛依ちゃんでしょ?」
わたしは自分の名前を言おうとすると、何故か目の前の彼はすでに知っていた。
「……何で…?」
知ってるの?
「何でって……それはさ、だって鬼翆の姫……翆姫でしょ?有名だもの」