恋する*memory~記憶をなくしたわたし~2nd
それに……何か…起きそうで…怖い……
胸が……ザワザワ…するのは…どうして?
胸のザワザワを掻き立てるように海が波を立てる。
なんだか……落ち着かない。
「そろそろ…時間だ……」
ソワソワしているわたしに…と言うより、独り言のように剛挧さんは言った。
するとわたしに近付いて来たかと思うと、腰を軽く屈め…
「また……ね…?」
そう言って、頬に軽くキスをすると、爽やかな笑顔を見せてから、波打ち際を歩いて居なくなった。
どこに行くのか気になりずっと見ていたけど……先に剛挧さんが見えなくなった。
なんて自由な人だろう……
海で出会った人は、海みたいな男の人でした。