恋する*memory~記憶をなくしたわたし~2nd
学校から帰ると珍しく家にいた母。
仕事を探しに行っているはずなのに…
カーテンを締め切り、電気はつけずに薄暗いリビングのソファに座っていた。
父の一年忌以来、いつもの母だったから安心していた俺は………いや、少しは不思議に思ったけど、またしても自分に言い聞かせた。
大丈夫……大丈夫……
あの怖い母ではない……いつもの優しい母だ……
そして……話しかけた。
「お母さん……?ただいま……」
リビングの入口のドアの隙間から母に言った。
母は俺に顔を向け……
笑いかけた。