恋する*memory~記憶をなくしたわたし~2nd
だけど…その日は……
そんなことをしても意味はなかった。
俺がランドセルを置いてリビングに戻ると、母は何をするわけでもなく、立っていた。
リビングの扉をボーッと見つめて……
まるで俺が戻って来るのを待っているかのように。
「お、母さん…?」
ただならぬ雰囲気を感じ、言葉に詰まる。
母は俺に近付き……頬を平手打ちした。
「お母さんと呼ばないで!!お前は……わたしの子ではないわ!!」
と、叫びながら。
「お前は……お前は……!!」
今度は急に押され、バランスを崩して倒れてしまった。
そこにすかさず、母は俺のお腹を蹴りつけた。
「お前は……!!わたしから、あの人を……奪った……」