甘く寄り添って

「悠、抱いてあげようか？僕でいいなら。」

「えっ？」私は耳を疑った。

大粒の涙が一滴静かに頬をつたって流れた。

「おいで、ほら立って。」時下さんは私に手を伸ばした。

磁石のように私の手が上がった。

ぐいと腕を引かれた。

「んん。」なんて強くするの？

彼のキスは大人のキスだった。

とても強烈で心臓が破裂しそう。

「悠、しょっぱいな。」

「ごめんなさい。」

「おいで、こっちだ。」

ベッドで彼の手は優しかった。

初めは溶けそうだった。