甘く寄り添って
β.初体験な渡米
ベストオブジャーナリストのセレモニーの後

パーティ会場のホテルへ移動した。

「悠、腕は組まなくていいよ。僕が君に手を添えるからゆっくり歩けばいいんだ、わかった?」

「はい。」

私は胸元が全開に近いので

そっちが気になって仕方がなかった。

ドレスの裾が完璧に床を引きずっていることにも気が気ではない。

いつヒールを引っかけるかと思ってヒヤヒヤしていた。

歩くのがゆっくりで救われていた。

私の斜め後ろから歩く時下さんを意識しながら彼に歩調を合わせた。

パーティ客が混み合い始め

あちらこちらから声を掛けられた。

私も努めてにこやかにしていた。

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