プロテクト・ストーリー?



「…さっき、海は何を考えてたかを考えてた。」




余計な偽りは無駄だと思った。
素直に訊くコトが
自身のためにも必要な気がしたし。



「えっ?」



「真っ赤になってた理由だよ。
風呂行く前、何、考えてた?」



「えっ………とー………、それは………、」



あー、良かった。
コイツが鈍感な生き物で本当に良かった。
質問を質問で返すことで誤魔化すことができた。



―だなんて、再びの油断をした瞬間…。



「………コレ…、
蒼が車の中でつけたんだよね…?」



観念したかのような表情で顔を
真っ赤に染めて
爆弾的質問を投下した海。



「あ………。」



Yesとも、Noとも、言えない状態で
俺の思考は停止する。



「あのね、私の友だちの亜美って子がね、
『キスマークをつけるのは、
自分の物っていう証。』って言ったんだけど、
その意味、合ってるの?」



―海は天然そうなふりをして、
核心的な質問を俺にぶつけてきた。



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