プロテクト・ストーリー?
「ちなみに、俺はお前の親戚でもないし、
誰かに頼まれたから
引き受けたわけじゃない。
俺が、海を気に入ったから、
海を引き取ったんだよ。」
「…いや、でも…結構です。
私、そんな赤の他人に
迷惑かけたくないんで…。」
ー私が冷めた声でそう言うと、
先生は怪訝そうな顔をして、
言い放った。
「じゃぁ、言うけど。
お前、此処を出て、どーするの?」
「…………………………。」
「何処にも居場所なんてないくせに。
親戚のみんなから嫌われてるくせに。
前、住んでいた家も、親戚の連中に
勝手に売りに出されて、
入院費に回され、
残りの金は行方不明。
今の海は何もないくせに。」
”今の海は何もない“
―先生の言う通りだった。
だから、言い返せない。
本当にそうなんだもん。
私は、何もないんだ。
だ か ら 死 に た か っ た の に 。
―そう思うと泣けてきた。
「ごめん。」
「っ!!???」
ぎゅうううっ!!!
―先生に抱き締められた。