プロテクト・ストーリー？

「ごめん、
泣かせるつもりはなかったんだ。」



先生は強く優しく抱き締めたままで、
私の頭を優しく撫でた。



その優しい掌で余計に涙は溢れた。


「…っ………ふぇっ…」



「悪かった。



海に『赤の他人』って言われたのが、
寂しくて、
胸が締め付けられるみたいに
苦しくなった。



だから、心にもないこと言った。
許してくれ。」



「………っ………。」



「海、」



私の涙は暫く止まらず。
先生の抱き締める力も暫く弱まらず。



それが、今の私には、心地良くて。
先生の腕の中は私にとって、
ものすごく安心できる場所だった。



だから、本当に、本当に、
微かな力で抱き締め返した。



“大丈夫だよ”



―そんな意味を込めて。



―――――――――――――――


―それから、私が泣き止んで、
先生は私を解放した。



「大丈夫か？」



「うん！」



私は先生を安心させるべく、
笑顔で応えた。



すると、先生も、優しく笑ってくれた。