プロテクト・ストーリー?
「嫌ー!!!!!」
…だから、そんなに嫌がらなくても…。
「コッチ来ないでー!!」
―そう言って、
持って逃げたクッションや枕を
俺に投げつける。
―コトの発端は、―――ベッド。
俺の寝室には
キングサイズのベッドが1つと、
寝具が1セット。
今まで客が
泊まりに来たことがないから、
客用の寝具がない。
いやいや、ソファーで
寝れば良い話なんだが、この暑さだ。
夜中になると更に暑さは増す。
冷房をつけないと眠れない。
あのだだっ広いリビングルームを
長時間冷やして保持しようと思うと、
電気代が有り得ないことになる。
―ということで。
俺は海と一緒に
寝なければいけないんだ。
―という口実を並べまくるが、
全く賛同しないのが海だ。
でも、こんなチャンス…逃がすかよ。
―此処は、少し強引にするべきか。
「よっと。」
「!!!」
俺は投げつけられたクッションを避け、
スッと海に近付いた。