プロテクト・ストーリー?
―自分のマンションから
自転車で20分の距離に
職場先である病院がある。
自転車を駐輪場に置いていたら、
「よっ!」
声をかけられた。
「はよ。」
短く挨拶すると、
「お持ち帰り、どうでした?」
下品なニヤついた笑みを浮かべながら
尋ねてきたのは、大学からの友人、
柏木 拓 【カシワギ タク】。
俺と同じ26歳。レジデント医師。
「最高でしたよ。」
「マジか!?
いいなー!!女子高生!!
俺も「言っておくけど、
手は出してないからな。」」
拓から卑劣な言葉が出るのを遮って、
釘を打った。
「何で?」
「何でって。
あの娘(こ)のコト、大切だもん。
簡単に手、出せるハズねーだろ。」
「お前、あの娘に本気?」
「本気。」
「うっわー!!」
「…んだよ、俺が本気になったら、
いけないのかよ?」
「いや、
そーゆーワケじゃないけど。
明らかに今までとタイプ違うだろ。」
「今までって、
大学生までの話だろ。
院生から今まで恋愛してねーよ。」
「そうだけど、
その大学生活は
かなり遊んでたじゃん!
しかも、相手は大体美人で、
体型はボンキュボンで、
胸は超デカくて…
「お前、それ以上言ったら、
二度と開けない口にしてやる
けど、どーする?」」
「はい、すみませんでした。」
「海に言うなよ?」
「了解しました。」