プロテクト・ストーリー?
「ちょ、待て、何で?どうした?
一旦、離れよう?」
「イヤッ!イヤ、イヤ、イヤ!」
―オイオイ、ちょっと待てよ。
どういう状況だよ!!
俺が海を抱き締めたり、
キスしたりすることは
楽しみながらしてるけど、
されることはない。
―超テンパるんですけど!!!
「何でっ?何で、何で!?」
―『何で?』は、
俺のセリフなんだが…。
テンパって焦ってる俺の隣で
海は何故か泣き出す始末。
「なに?どうした?」
とりあえず、優しく尋ねてみると、
「蒼、何で怒ってるの?」
「え?」
「私が何か、蒼が嫌がること、
したんだよね?ごめんね?
私、蒼とケンカしたくない…。
お願い、許して…。」
怒ってなんか、ないんだけど…。
敢えて言うなら、
自分にイラついてただけ
なんだけど…。
海は自分に対して怒られていると
勘違いして泣いている。
海が泣くのは不本意だが、
スゲー可愛い!!!
泣き顔+上目遣い。
マジ、襲って欲しいのか。コイツは。
―俺は海を抱き上げて、
靴を脱がせてから
そのままリビングに向かった。