プロテクト・ストーリー?
俺はソファーに座り、
海は俺の膝の上に座らせ、腕で支えた。
―崩れかけそうな理性をなんとか
繋ぎ留めて、
ギリギリの状態で冷静さを保った。
「俺とケンカするの嫌?」
「うん!嫌!!」
「俺とケンカしたくない?」
「うん!したくない!!」
「そっか。
じゃぁ、俺の言うこと守れる?」
―海を怒っているわけでは
全くないんだけど、
俺の本能はこの状況を
利用することを選んだ。
「うん、守る!」
―聞き分けの良い海に、
俺は無茶苦茶な規則を押しつける。
「海。
俺以外の他の男と必要最低限、
会うな、喋るな、触らすな。
わかった?」
―何、言ってんだ?俺。
こんなの、束縛じゃん…。
こんなことしたら、
独占欲強すぎて、海にヒカレル…。
付き合ってるわけでもないのに…。
―そう思ったのに…。
「わかった!そうする!
守るよ。約束する。」
―まさかの展開。
「守るから、仲直りして…。」
再び泣きそうな表情をして、
俺に乞う。
「ん。」
…元々、ケンカしてないんだが。
…元々、怒ってないんだが。
―なんだか、ものすごく愛しくて。
そのまま強く抱き締めた。
「俺が守ってやるって言ってんだ。
他の男のトコ、行くなよ。」
言おうと思ってるわけじゃないのに、
だらだらと溢れる本音。
「わかった。」
海が俺の腕の中で深く頷いてくれることが
嬉しくて。嬉しくて。
本気で離したくないと思った。
この腕の中に海がいるという
幸福的な日常が永遠に続くことを祈る。