プロテクト・ストーリー?
「先生、ふざけてます?」
「ふざけてないですよ。」
「いやいや。ふざけすぎでしょう?」
「だから、ふざけてないですよ。」
―只今、職員室。
そして、只今、かなり窮地。
担任を前にして、絶叫3秒前。
2。
1。
「何処がふざけてない
っていうんですか!!!!!
高校2年の半年分の範囲を
一週間後に試験して、
80点いかなきゃ留年決定って!!!
いきなり、何を言うですか!!
桜井先生!!」
「ごめんなさいね。
本当はもう少し早く
連絡入れる予定だったんだけど、
急に住所変更になって、
連絡も取れなかったし、
入れられなかったの。」
「そりゃ、学校なんて
考える余裕なかったし…。
もう少し、
猶予をくれてもいいじゃないですか!!」
「ごめんなさいね。
これは決まりだから…。
でも、私が出来る限りフォローするから!
一週間、猛勉強しなさい!
質問や、わからないところは
徹底的にみてあげるから!!」
「……………。」
女担任の桜井先生の
献身的な励ましの結果、
私はもう何も言い返せずに、
仕方なく職員室を後にした。
「「えええー!!!」」
「実に危機的状況ね。」
亜美、美依、歩詩に相談すると、
こんな反応。
それはそうだよね。
こんな危機的状況の打開策として、
『みんなで勉強しよう!』
―という、海留年救出プロジェクトが
考案された。