プロテクト・ストーリー?
「!!!」
まさに、『ガーン!!』という
効果音が似合う表情をする海。
―コイツ、
メチャクチャ面白いんですけど。
「ご、ごめんね…、蒼…。
仕事で疲れてるのに、
こんなこと頼んで…。」
そう言いながら、
勉強道具を片付け始める海。
「オイオイ。
何、片付けてんだよ。
まだ、終わってねーだろ!」
俺は慌てて阻止をした。
「だって、理解力ない私に
教えるの、大変でしょ…っ…?」
そう言って、
涙を瞼にいっぱい貯めて、
俺に上目遣いで訴える。
「誰もそんなこと、言ってねーだろ。
海と一緒に勉強するの、楽しーんだよ?
俺の楽しみに取らないでよ。」
「で、でもっ、」
「それに、
『バカなヤツ程、愛しさが増す』
んだから、海は海らしく、
頑張ればいいんだよ。」
―気付けば、誘惑に負け、
俺は海に手を伸ばして、
頬を撫でていた。
海は海で、俺を余程信頼しているのか、
顔を真っ赤にして、
俺にされるがままになっている。
…嗚呼、可愛い。
このまま、いっそ、
海を俺のものにしてしまいたい。
―そう思って海を引き寄せようとした、
その瞬間だった…。