プロテクト・ストーリー?
―♪―♪―♪―
「………っ。」
―唐突に家電が鳴った。
私は飛び付くように受話器を取った。
「もしもしもしもし!??」
「何回もしもし言ってんだよ。
面白いヤツだな。寝惚けてんのか?」
―受話器の向こう側からは、
クスクスと笑って、
私の反応を楽しむような声が聞こえてくる。
「寝惚けてないし!
勉強してたし!
慌てて取ったから、焦っただけだし!」
―私がムキになって答えると、
「はいはい。」
―簡単に受け流されて、
子ども扱いされてるように思えて、
更にイラついた。
蒼からすれば、
9歳年下の私なんて、
子ども扱いされて当然なんだけど…。
「ところでさ、」
急に蒼が真剣―というか、
少し怒ったような低い声で切り出した。
「ん?なに?」
「何で、電話してこなかったの?」
「え…。それは…っ。」
「俺に電話したいとも思わなかった?
声、聞きたいと思わなかった?
寂しくなかった?」