プロテクト・ストーリー?



「寂しかったよ…。」



―言おうと思ったわけじゃない。
それどころか、蒼に迷惑かけちゃうから、
言わないでおこうと思っていたのに。



口が勝手に自分の本音を伝えていた。
身体が、蒼を求めてる。
心が、蒼を求めてる。



「じゃ、何で、かけてこなかったんだよ?」



「…迷惑…かけちゃうと思ったから…。
…声、聞きたかった。
…寂しかった。
寂しくて、落ち着かなくて、
勉強、集中できなかった…。」



―恥ずかしかった。
でも、伝えずにはいられなかった。
止まらなかった、私の本音。



「…迷惑なんて、思わないのに。
…俺も海の声、聞きたかったから…。」



「あ、蒼…。」



―なんだか、
蒼も同じ気持ちでいてくれることが
とてつもなく嬉かった。



それから、
他愛もない話を続けた私たち。
蒼の声がこんなにも私を
幸せにしてくれるとは、
思わなかった…。



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