プロテクト・ストーリー?
「出掛けるぞ。」
―唐突に。蒼が口を開いた。
「何処に?スーパー?
でも、食材あるよ?
私、勉強しなきゃ………っ!??」
―突然に。蒼は私を抱き上げた。
「言うこと聞け。」
「ちょっと!!な―「黙って。」」
有無を言わさない口調で、
私を助手席に座らせると、
自分も運転席に乗り込み、
車を発進させた。
――――――――――
「何処行くんですか?」
―只今、車中。
とりあえず、スーパーやコンビニに
行くわけではないことはわかった。
…でも、何処へ向かっているのか聞いても、
「何処だと思う?」
ニヤリと笑って、そう尋ね返すだけ。
いくつか聞いたけど、全て違った。
蒼もとうとう面倒になったのか、
「着くまで、待っとけ。」
―と、言われてしまった。