プロテクト・ストーリー?
どうやら、
彼は私にバッティングを
教えてくれるらしい…。
―止めて下さいいいぃぃぃ!!!
心臓のドクドクいう音が止まらない!!
しかも、なんだか、音が
メチャクチャ大きいんですけど!??
それに、いつも、抱き締められるのと、
なんだか違ってて
何故か、すごく緊張する!??
―嗚呼、わかった。理由がわかった。
汗の匂いがする。
それがいつもと違う点。
どうやら、汗のせいで
蒼の色気が増してる模様。
ど、ど、ど、
どーすりゃいいんですか!??
どーすればいいんですか!??
どーしたらいいんですか!??
―そう思っていたら、唐突に。
「今から1、2、3で打つぞ?
息、合わせろよ。」
私の耳元で声がした。
ドクドクと有り得ないスピードで
全身の血液が流れる。
けど、ボールが飛んできたことに気付いて、
慌てて意識をバットの方へ集中させた。
―キーン…。
「打てた!打てた!」
ボールを打てたことに感動し、
キャッキャッとはしゃぐ私に
「良かったな。」
彼が私を少し、離す。
蒼が私の頭を撫でながら、優しく微笑んだ…。
すると、私の胸はきゅうっと
締め付けられたかのように苦しくなった。