プロテクト・ストーリー?
「無理矢理されたの?
抵抗、できなかったの?」
―ヤバイ。ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ。
きっと、亜美はなんだか悪い方に
勘違いしてる気がする。
無理矢理、なんて蒼はしない。
昨日だって、
ちゃんと訊いてくれたもん!
「もし、強要されるなら、
私の家に引っ越して来な?」
「ち、違うの!!」
話が驚くべき方向に
行ってしまいそうになって、
私は慌てて否定した。
こんな、お誘い、
きっともう少し前ならものすごく喜んだ。
だけど、今は違うんだ…。
蒼の傍を離れたくない、離したくないんだ…。
「私が、抵抗しなかったの!」
「え?」
「私が、“いい”って言ったの!!」
「どう、して?」
「………私が、蒼を好きに…
なっちゃったから…。」
「でも、わかってるんでしょ…?
彼は、年上のエリートなお医者様。
相手にしてもらえるハズなんてないってこと。」
―嗚呼、やっぱり。
わかってた…。
わかってたよ…。
亜美に反対されるって。
亜美は現実主義者。
私を正しい道へと導いてくれる指導者(コーチ)。
―だから、
この気持ちは間違いなん………―――
「あー、ごめん。ごめん。
泣きそうにならないでよ。冗談だよ。」
「へ?」