Dearest
「あっ、英知くーん!」
なんでもないような振りをして声をかけてみる。
幸い席も近いため、少しのことで話しかけても不自然に感じられないのは、私にとって救いなことだ。
私に気がつくと、英知くんは優しい笑顔で対応してくれた。
「あ、浅井さん。どーしたの?」
英知くんはどちらかというと可愛い系で、男女問わず、話しやすい男子だ。
髪を茶色く染めていて、大きめの瞳が印象的。
肌もきめ細かくて……、中性的な顔立ちの彼は、私にはドストライクのタイプなのだ。
「次の時間、英語じゃん?もしかしたら、今日当たるかもよ、英知くん宿題やった?」
「そりゃ当然!」
そう言って、英語のノートを開いて見せてくれた英知くん。
チャンスとばかりに私はひょいと奪った。