恋…
そして私が来たのは中庭。
中庭はなかなか人が来なくて
泣くにはいいとこなんだ。
まことのことでよく
ここで泣いたっけ…
今日ここで泣くので
ここに来るのが最後かな…

『ははっ…私って
本当…弱い…
自分からフッたくせに
なんで…泣い…てん…の…
ヒック…ぅう…ぅっ…うわぁーん…』
私は声をあげて泣いた。
しゃがみこんで…

そしたらなぜか
甘い匂いにつつまれた。
ふと、顔をあげると
あなたがいた。
『矢神…せん…ぱい…』
矢神先輩『どーしたの?みなみちゃん。
みなみちゃんは
笑ってなきゃいけないよぉ』
『ぅう…やが…み…せん…ぱい…
うわぁーん…』
私は泣いた。矢神先輩の
腕の中で。
矢神先輩の腕の中は
とても心地よかった。
暖かく離れたくなかった。
けれど反対に胸がドキドキして
このままだと心臓が
破裂してしまうと思った。
これで私はわかった。
私は矢神先輩の事が
好きなんだと。
もしかしたら
人生の中で1番苦しい時に
優しくしてくれたから
好きになったのかもしれない。
でも…それでも
私は矢神先輩が好き。
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