「1つだけ、嘘をついたんだ」
「幸せになって。
それで、いい家庭を築いてよ。
今日のこと、
忘れないでほしい。
でも、これを最後にしないで。
僕は、大丈夫だから。
これでも、嫉妬はしない方だし」
また、優しく笑う永人。
その笑顔を見るのが、大好きだったの。
「・・・・・・永人、私も1つだけ嘘をついたの」
「え?」
「私、紅茶大好きよ。
でもね、もっと好きだったのは、
そんな紅茶を淹れている時の、
永人の真剣な顔が好きだったの」
きっと、それが見たくて、毎日紅茶淹れてもらってたんだ。
・・・・・・永人。
あなたは、もうすぐ消えちゃうよ。
私の隣で、いつも優しく笑ってくれなくなる。
だけど、永人との日々は忘れない。
今日のことも、絶対に忘れないよ。
あなたの私のための冷たい手も、
私のために勉強してくれた紅茶も、
私に向けられる優しい笑顔も、
私についた優しい1つの嘘も・・・・・・
全てが愛しかった。
さよならは言わないよ。
だけど、「愛してる」って言ってもいい?
別れがつらくなるかもしれないけど、
言ってもいいかな?
それまでは、私の中だけで、何度も呟くわ。
愛してる。
誰よりも、何よりも、
あなたを愛してる
――END――
それで、いい家庭を築いてよ。
今日のこと、
忘れないでほしい。
でも、これを最後にしないで。
僕は、大丈夫だから。
これでも、嫉妬はしない方だし」
また、優しく笑う永人。
その笑顔を見るのが、大好きだったの。
「・・・・・・永人、私も1つだけ嘘をついたの」
「え?」
「私、紅茶大好きよ。
でもね、もっと好きだったのは、
そんな紅茶を淹れている時の、
永人の真剣な顔が好きだったの」
きっと、それが見たくて、毎日紅茶淹れてもらってたんだ。
・・・・・・永人。
あなたは、もうすぐ消えちゃうよ。
私の隣で、いつも優しく笑ってくれなくなる。
だけど、永人との日々は忘れない。
今日のことも、絶対に忘れないよ。
あなたの私のための冷たい手も、
私のために勉強してくれた紅茶も、
私に向けられる優しい笑顔も、
私についた優しい1つの嘘も・・・・・・
全てが愛しかった。
さよならは言わないよ。
だけど、「愛してる」って言ってもいい?
別れがつらくなるかもしれないけど、
言ってもいいかな?
それまでは、私の中だけで、何度も呟くわ。
愛してる。
誰よりも、何よりも、
あなたを愛してる
――END――