【短編】恋しちゃダメですかっ?
はぁ…はぁっ…

疲れた。




天井の隅から、『ギシッ、…ギシッ』という音が響きわたる。




「ギヤァ〜〜」


やっぱり慣れない。


「ねぇ、これもあんたの仕業?」



『ごめんよ。
つい、力がはいっちゃって。』



「あんたって、わたしの心が読めるんだぁ?
なんだか、それって、反則じゃあない?」



『さっきから、いや、昨日から、あんた、あんたって、僕にも名前があるんだけど。』



「名前?」



『うん。小太郎っていうんだ。よろしく。』



挨拶なんて、したくないけど、なんだろう?


声が優しい感じで、わたしの好きな声なんだぁ。



『ふ〜ん、僕の声がそんなに好き?』



ことねは真っ赤な顔で下をむきながら。


しまったぁ。
聞こえてるんだったぁ。



「じ、冗談にきまってんじゃん。」



『な〜んだ。
少し嬉しかったのに。」



「あっ。忘れてたぁ。」



『明日、海にいくんだよね。』



「あんた、何でもしってんのね。」



『あんたって…。
小太郎でいいよ。』



ことねは、照れながら。



「じゃあ、小太郎くん…で、いい?」



『これからもよろしく、ことねちゃん。』



「まだまだ怖いんだけど…。何かの間違いであってほしいよぉ〜。」




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