【短編】恋しちゃダメですかっ?
その頃、隣のきよの部屋では、ゆきがことねの部屋側の壁にべったりと顔を押し付け、聞き耳をたてていた。



「ほぉ〜らね、今、ぎゃあぁって!!
きよ、きよ、あんたにも聞こえたよね。」



きよは、ベットに座りながら、うとうとと、たまに首が、がくんとなるぐらい、眠くて仕方がない。



「うん!?何の騒ぎ?
眠くてしたかないのに〜。」



「きよ、あんた妹がたいへんな時にねてる場合じゃあねーぞ!!」



「どうしたっていうの?」

ゆきの興奮気味な態度にきよは、目を大きく見開く。


「ことねの部屋にいったらさぁ、無風なのに、風がふいたり、大きな声で意味不明なことを、ぶつぶつ言っててさぁ、病院におくりこむか、それとも、お祓いするかだなぁ〜
どっちにしろ、ことねがおかしいんだよ。
あんた、知り合いに、祈祷師かなんか、いねーの?」


「いるわけない…
あっ、祈祷師知り合いいるよ…。」



「ってか、さすが、きよ、顔が広すぎたよ。
普通、祈祷師の知り合いなんか、いねーっうの。」



「もう少し、様子をみてから、連絡してみる。
なんせ、かわいい妹のためだもん。」



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