【短編】恋しちゃダメですかっ?
なんで、わたしなの!?
ゆきの運転で、きよとことねを乗せ、ミツの家に向かう。


まゆみとルカとは、現地で待ち合わせ。



「ミツちゃぁ〜ん、迎えにきたよ。」



ミツのその姿を見て全員が驚きを隠せない。



黒のつばの大きな帽子。まるで、マダム風。
黒の長袖のシャツに黒のロングのヒラヒラスカート。

高校生とは思えない、落ち着きはらった、ミツの服に、私たちはどん引き。



「ミツちゃん、ねぇ、今から海にいくんだよ?」


「わ、わかってるわよ。
ミツよ。
だって、海なんか苦手で、でも、なんとなく海風、あびたいじゃあない。」



「で、でも、その格好、引くし、引きまくるし〜。」

「だってさ、海には若者がいて…。」


って、ミツちゃん、若者って!?


結局はやっぱり、そこなのね。



「ことね、いいんじゃあねーの?
ミツが海みたくて、若者みたいんだから。」



ゆきまで、若者って??




「うっっ、苦しい〜。
窮屈だわっ。」



ゆきは運転しながら、一人でぶつぶつと何やら言っている。




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