【短編】恋しちゃダメですかっ?
「きよ、あんた、水着着てんだろうね?」


「うん。ゆき、着てきたよ。」


「ことね、あんたの水着は持ってきたからね。」


「了解。あっちで着替えるわ。」



ゆきは運転席のミラーから、わたしをチラミして、にかっって笑った。



あの意味深な笑いは、悪い予感の知らせだ。


小さい頃から、いつもそう。ゆきが気持ち悪い笑いを浮かべるときは、決まって、何かが起こる。




「さぁ、もうすぐ着くぞ。しっかし、うっ苦しい。」

「ゆき、どうしたの?苦しいって?」


「なんでもないよ。気にするなって!!」


って言われても気になるじゃん。



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