【短編】恋しちゃダメですかっ?
「で、小太郎、聞いてる?」


小太郎の意識はあの頃に飛んでいた。


「…で、山田さんちのコナンくんに、ありがとうって言えばいいのね。」



『そんな簡単にはいかないよ。
コナンは肉球を触られるのが好きだったから、そこから責めてみて?
でも、あいつ怖いんだぞ。』


「う〜ん、私、苦手だから、猫が得意なきよに頼んでみるね。」



きよは、小さい頃から、猫を拾ってきては、パパとママに怒られていた。


でも優しいきよは、こっそり自分の部屋に猫を連れ込み、ミルクとご飯を食べさせていた。


それでもやっぱり最後はパパとママにみつかり、猫は、パパの知り合いに、ひきとられ、きよは毎日泣いていた。


そんな優しい、きよなら、凶暴なコナンくんもなんとかしてくれるはず。



きよに頼もう。



「小太郎、きよに頼んでもいいかな?きよは、猫、大好きだしね。」


『うん、お願いするよ。
月の使者が呼んでるから、行くね。』



小太郎のいたであろう場所が白くなり、光と共に、外に消えていった。


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