【短編】恋しちゃダメですかっ?
深夜一時


窓は閉まっているのに、風が、ことねの身体を吹き抜ける。





「ぎゃあ〜誰かいる?
ねぇ、新人さん?」




「もう、何とかいいなさいよぉ〜、わたしが何をしたって言うの?ねぇ〜」



『何にもしてないよぉ〜。』




「ぎゃあぁぁ〜〜」




ことねは、びっくりして、後ろに転倒する。



「痛っ。」



「ちょ、ちょっとぉ、あんた、誰?なんとかいいなさいよ。」



『あんたって・・?僕?』


「そう、あんた!!聞こえてるの?」



『うん、しっかり君の声、聞こえてるよ。』




えっ?若い、若いよぉ〜



「あんた、声、めちゃ、わかっ。」



『君と同じ年だよ。』





初めてだぁ、若いの、初めてだぁ。





突然、ことねの身体から力がぬけ、風とともに、部屋の空気が綺麗になる。



すっ〜と何かがなくなる感じ。



「あれ?ねぇ、いない?
あんた、どうしたって言うの?」




「ちょっとぉ〜?」






これが、彼との初めての出会いとなった。




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