【短編】恋しちゃダメですかっ?
きよの後ろをトコトコとついていく。


よく考えたら、この格好、ドロボーと間違えられるんじゃあ…?



「さぁ、着いたよ。
ことね、まずは、挨拶をしてね。」


「ぐわっ。」


そこは、いつもの学校の帰り道で、猫を数えたら、10匹、10匹もいる。
すごい、迫力である。



「ななちゃ〜ん、待って〜どこにいくの?」


見覚えのある声が…


振り向くと、そこには…



「ミツよ。
どうして、きよお姉さまとことねがいるの?」


「って、なんでミツが…?それに、ミツ、お約束の黒ずくしだし。」


「なんでってね、ミツの可愛い、ななちゃんが急にソワソワし始めちゃって、スルスルと自分で玄関をあけて、ミツはななちゃんを追い掛けてここまで、きたの。ハァハァ〜。」


「それで、ドロボーみたいに、黒いんだけど?」


「こ、これは予感がしたの。なぜか、今日は控えめにって!!」


「ふ〜ん。」


きよと顔を見合せながら、必死に笑いをこらえた。


「まぁ、ミツのななちゃんが、まぁ、あんな野良ちゃんたちと仲良くしてるわ。」


「いいんじゃない?」


「ミツよ。いやぁ〜ん」



ミツのことは、そのまま、ほっとこう。
そのうち、ななちゃんとお家に帰るだろう。





あちらこちらで、にゃあにゃあ〜が始まった。


いよいよ、集会のはじまり?


「きよ、コナンはどこにいるの?」


「あそこだよ。ほら。」


きよが指をさした先には、目がぱっちりしていて、耳が大きくて、キジトラのイケメン猫がいた。


あの猫がコナン?


小太郎と仲良しだったコナン。


「きよ、コナンを連れてきて?」


「うん、わかった。」


きよは、するりとコナンを抱き上げ、慣れた手つきで、連れてきた。


なんだぁ、怖くないじゃん。


…と思ったら低い声で威嚇している。


「うぅぅぅぅ〜」


やっぱり無理。
怖いから無理。



< 52 / 83 >

この作品をシェア

pagetop