【短編】恋しちゃダメですかっ?
「ことね、とりあえず、コナンにあいさつを〜。」


「あの…初めまして、きよがいつもお世話になっています。
あの…私は、美人三姉妹の末っ子のことねです。
今日は突然、集会に来まして、ああ〜すみませ〜ん。こわっ。」


ことねの言ってる事がわかったのか、コナンはきよの腕をすりぬけて、ことねの足元にやってきた。


「あの…今日はお話が…ありまして…」


コナンはことねの足をすりすりし、あま〜い声をだし、うっとりしてみせた。


「ことね、気にいられたみたいね。」


ほっっ。


「きよ、ちょっと、コナンに話があるんだ。」


「じゃあ、他の猫たちと話てくるよ。」




ことねは、コナンに合わせ、腰を下ろす。


そして、優しく話かけてみた。


「コナン、小太郎のこと覚えてる?」


コナンはうっすら涙を浮かべ、月をぼんやりみつめ、悲しく泣いた。


「覚えてるんだね。
あのね、頼まれたの。
小太郎がね、コナンにありがとうって伝えてって!」

小太郎を思い出したのか、コナンの大きな瞳からは、猫とは思えないほど、涙が溢れていた。


大きな声で
「にゃおん〜」
と、多分小太郎に向かって、泣いた。


「コナン、小太郎がこうしたかったんだと思う。
いい?」


ことねは、コナンの指を裏返しにし、肉球をぷにょぷにょ触った。


心なしか、コナンの口角があがったよーな気がした。




猫集会の中にはいって、楽しく遊んでいる、きよとミツを置いて、ことねはゆっくりと家にむかって歩きだした。



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