【短編】恋しちゃダメですかっ?
「鈴木三郎先生の検診です。」


小太郎は、慌ててベットに戻る。


前から聞きたかった言葉を、鈴木三郎先生にぶつけてみた。


両親にも聞けなかった言葉。


「小太郎くん、調子はどう?」


「いつも通りです。」


鈴木三郎先生は、背中を向け、部屋を出ていこうとした。


その背中にむかって小太郎が


「先生、僕はあと…どのぐらい、生きられるんですか?」


びたりと体がとまり、先生は振り向き、微笑みながら、「これからも、君は生きるんだよ。」
と、言った。


大人の嘘
だと、すぐにわかった。





僕はもうすぐ消えてしまうんだね。


君と話をすることもなく、君の声を聞くこともなく…


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