【短編】恋しちゃダメですかっ？
真っ白な丸い月が夜を照らし、まわりのオレンジ、ブルー、イエローの星たちに、いっそう輝きを与えている。



そんな、丸い月の裏側では、小太郎に月の使者からの命令が下されようとしていた。


『小太郎、君がここに来て、どのくらいになりますか？』


『半年です。
あの世界から、こちらに来て、最初はびっくりしましたが…』


『君の願いが叶えば、私とはお別れなんです。
私は君を子供のように思っていました。
短い時間でしたが、楽しかった。
君と過ごせて楽しかったんです。』



小太郎は亡くなってから、半年間、月の使者と共に生活していた。


一緒に過ごした半年は小太郎にとっては未知との遭遇だった。


『使者、あなたは、ずっとここにいるのですか？』


『私は次にやって来る人との生活が待っています。』

小太郎は寂しい気持ちになり。



『小太郎、君は優秀でした。だから、願いが叶えば、月の王者からのご褒美がまっているのですよ。
さぁ、行くのです。
君がずっと好きだった人の所へ…』



『使者
今までお世話になりました。
時間が来ます。
ありがとうございました。』



溢れてくる涙を拭いながら小太郎は振り返り、使者に頭を下げ、ゆっくりと飛び立つ準備を始めた。




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