【短編】恋しちゃダメですかっ?
「ことね、入るよ〜。」


そう言う前に、ドアあけてるし。


「にょ。
爽やかな男の匂いがプンプンするな。」


「男?はい?その通りで。」


小太郎はゆきの前に顔をだして、深々と頭をさげた。

「誰…?」


「あのね、この人は…」


ことねの言葉をさえぎるように。


「はじめまして、あの…こんな夜遅くにすみません。ことねさんとお付き合いさせてもらってます、小太郎です。」


ゆきはあまりの驚きに、口があいたままで。


「いい男。
いつのまに、ことねに男が…?」


嘘だろっ。


いままで、男のおの字もでなかった、ことねに、こんないい男?


しかも、こんな夜に、誰もいない夜にひっぱりこんで。


「あの…姉のゆきです。どーぞよろしくね。
今日はもう遅いので、明日皆さんに紹介?なーんてどうでしょ?あははっ。」



「あっ、こんな遅くにすみません。
では明日あらためて。」


ことねはおもわぬ展開に目はくりくりと動き、頭はクラクラし。


呆然としたまま、小太郎を玄関まで送っていった。


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