【短編】恋しちゃダメですかっ?
窓が閉まっているはずの部屋に、生温い風が吹いている。



「あれ?変だなぁ〜
ことね、窓あけてんの?」


「ううん、閉まってるよ。」



嫌な予感。



ま、まさか、まさかねぇ。


ゆきがいるのに、こないよねぇ。






『呼んだ?』



「へっ!?」


おもわず、反応して、へんな声をだしてしまったよ。


『僕を呼んだよね?』



ことねは、頭を大きく横に振り続ける。



「ち、ちょ、ちよっと、ことね、どうしたの?
大丈夫なの?
あんた、変だよぉ〜。」



確かに変だよ。



ことねは、心の中で叫ぶ。


お願い、今こないで。


ゆきに変に思われる。



来るんだったら、あと5分後に。



『うん、わかったよ。』




「え〜〜わたしの心が読めるの?」



「こ、ことね、あんた、何いってるの?
ことね〜。」



ゆきは、わたしの両腕をおもいっきり握りしめ、それでも足りずに、身体を揺さぶり続けた。




「な、何にもないから、出ていって。」



ゆきの身体をおもいっきり、ドアにおしつけ、強引に追い出した。




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