彼が幸せであるように
 
 
カフェにつくと、
店員が日当たりのいい席に案内してくれた。

心なしか店員が結城くんを見てる気がする。
 
やっぱり、かっこいいんだなあ。
王子サマなんて言われてたくらいだし。
 

この一週間、女子のヤッカミはすごかった。
廊下を歩くとぶつかられ、
結城くんと歩いてるだけでざわざわする。
 
 
イジメられてるわけじゃないけど、精神的にくる。
 
 
「雪音、どした?」
 
「んーん。結城くんってモテるんだなーって思って」
 
「何それ」
 
変なのーと結城くんは笑った。
 
 
この笑顔が、心地いい。
 
「そういえば、思い出せそう?俺の事」
 
「……」
 
「だめか」
 
少し寂しそうな顔をされて、胸が苦しくなった。
 
< 14 / 51 >

この作品をシェア

pagetop