彼が幸せであるように
カフェにつくと、
店員が日当たりのいい席に案内してくれた。
心なしか店員が結城くんを見てる気がする。
やっぱり、かっこいいんだなあ。
王子サマなんて言われてたくらいだし。
この一週間、女子のヤッカミはすごかった。
廊下を歩くとぶつかられ、
結城くんと歩いてるだけでざわざわする。
イジメられてるわけじゃないけど、精神的にくる。
「雪音、どした?」
「んーん。結城くんってモテるんだなーって思って」
「何それ」
変なのーと結城くんは笑った。
この笑顔が、心地いい。
「そういえば、思い出せそう?俺の事」
「……」
「だめか」
少し寂しそうな顔をされて、胸が苦しくなった。