彼が幸せであるように


ぶわっと鳥肌がたち、
吐き気がこみ上げてくる。

 
「すみません、大丈夫ですか」
 

やめて
話しかけてこないで
 
 
その男は、心配そうに私の肩に触れた。
 
「たてますか?」
 
 
やめ、て
 
ぐっと息が詰まる。
お願い、何処かへ行って。
 
 
「あの…「大丈夫だから、触んないで」
 
―冷たい結城くんの声。
その声を聞いて、男は少し震えながら去っていった。
 
「………っ…」
 
「大丈夫?」
 
ほら、と手を差し出される。

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