彼が幸せであるように
第二章
次の日、授業が終わった後、
久々に芽衣とお昼を食べた。
心なしか芽衣は嬉しそうに見える。
「今日は雪音を独り占めできる!」
なんて言ってた。
「ずっと一緒に食べれなかったから
寂しかったんだよ?」
「う、ごめんね」
素直に謝ると、
芽衣はニカッと笑って「いーよ」と言った。
芽衣は、私の初めての女友達。
実際はそうじゃないかもしれない。
昔の私には友達がたくさんいたらしいから。
でも、記憶を無くしてから
ずっと塞ぎこんでいた私に
芽衣は明るく話しかけてくれた。
大切な、友達だ。