彼が幸せであるように
 
 
「そういえば最近
王子サマとラブラブなんだって?噂すごいよ~」
 
「ラブラブじゃないよ」
 
「私も見たいなあ、その王子サマ」
 

そういえば、
芽衣はまだ一度も結城くんを見ていない。
 
ここ最近会う機会も少なく、
結城くんを紹介することもできなかった。
 

「次の空き時間
待ち合わせしてるんだけど、くる?」
 

たしか芽衣も空きだったし。
 

「えーいいの?お邪魔じゃないー?」
 
「ぜんぜん」
 
「んー、じゃあ、いく!そういえば、王子サマの名前知らないんだけど」
 

「あ、斉藤結城くんだよ」
 
 
ぴた。
 
 
――まただ。
 
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