彼が幸せであるように
「詳しくは言えない。
でも、結城もそれに絡んでる」
――『結城』
芽衣と結城くんは、知り合い…?
「雪音。あんたに話したいこと、たくさんあるの。
でも今は言えない。けど、結城にあんまり関わらないでほしい」
「どうして…」
「ごめんね、今は言えないの。だから待っててほしい」
力強い芽衣の言葉に、私は小さく頷いた。
「やっぱり私、帰るね。ごめんね雪音」
「ううん、大丈夫」
ガタッと席をたち、食堂を出る芽衣を見送った。
芽衣が見えなくなると、振っていた手を下ろし
ぼんやりとした頭で考えた。