彼が幸せであるように
 
 

 
 
あんなに悩んでいたのに、
放課後待ち合わせに来た結城くんを見て、少し軽くなった気がする。
 
「雪音」
 
私の名前を呼んで、ふっと笑う彼を見て、少し頬が熱くなった。
 
好き
大好き
 
気持ちが溢れ出る。
別れろなんていわれても、無理だよ。
 
私はこんなにも、好きになってるのに。
 
「雪音、元気ないね。どうしたの」
 
「……あのね」
 
聞くべきか。
 
私は決心して、結城くんをじっと見つめた。
 
「なに?」
 
「……っ…芽衣とどういう関係なの?」
 
聞いてしまった。
このままもやもやしても仕方ないし、ハッキリさせたい。
 
「……ああ、芽衣は」
 
「…っ」
 
ごくりと唾を飲む。
 
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