彼が幸せであるように
*
あんなに悩んでいたのに、
放課後待ち合わせに来た結城くんを見て、少し軽くなった気がする。
「雪音」
私の名前を呼んで、ふっと笑う彼を見て、少し頬が熱くなった。
好き
大好き
気持ちが溢れ出る。
別れろなんていわれても、無理だよ。
私はこんなにも、好きになってるのに。
「雪音、元気ないね。どうしたの」
「……あのね」
聞くべきか。
私は決心して、結城くんをじっと見つめた。
「なに?」
「……っ…芽衣とどういう関係なの?」
聞いてしまった。
このままもやもやしても仕方ないし、ハッキリさせたい。
「……ああ、芽衣は」
「…っ」
ごくりと唾を飲む。